
仁川空港でストライキ?その概要と背景
2025年9月19日から、韓国の主要空港で大規模なストライキが予定されています。
全国14の空港(仁川・金浦・釜山(金海)など)で働く約1万5千人の労働者が、秋夕(チュソク)連休頃(9/19~10/12)までストに入ると予告しました。
これは仁川国際空港の労組と全国の空港労組が初めて共同で行動を起こすケースで、連休期間中に「空港に大乱(大混乱)が発生する恐れ」があると懸念されています。
ストライキの主な理由は勤務体制の改善や人員増強など労働環境の改善要求です。

旅行者にとってはまずその影響が気になるところ。
ストはいつからいつまで?
労働組合側は9月19日に仁川空港第2ターミナルでまず警告ストを開始し、その後要求が受け入れられなければ秋夕連休(韓国の大型連休、2025年は10月3日〜12日)まで全面ストライキを続行するとしています。
ただし9月19日までに労使交渉が行われ妥協案が模索される見込みで、交渉が成立すればスト回避(延期・縮小の可能性も)、決裂すればスト突入という状況です。
シルバーウィーク期間(9月中旬〜下旬)に韓国旅行を計画している方は、続報に十分注意してください。

続報が出れば随時更新しますね
フライト運航への影響:欠航は?遅延は?
肝心のフライトへの影響ですが、現時点で大規模な欠航(フライトキャンセル)は発生しない見通しです。
仁川国際空港公社は「必要人員と代替要員を確保済みで、仮にスト決行でも飛行機の欠航の可能性はないだろう」と述べています。
法律上も空港業務は「必須公益事業」に指定されており、ストライキ中も空港機能維持のため一定の人員確保が義務付けられているためです。
実際、保安検査や搭乗手続きなど旅客対応業務はスト中でも停止が許されず、保安検査要員はストライキ不可、搭乗手続き要員も最大2割減までしか人員を減らせないとされています。代替要員の投入もあり、おおむね平常時の80〜90%の体制は維持できる見込みです。
仁川ではストなくても遅れは発生している
人員の確保ができているとはいえフライトの遅延は避けられない見通しです。
労組側は「ストが実施されれば航空便の運航に確実に影響が出る」と警告しており、
過去にストなしでも連休シーズンには各空港で3~8時間の遅延が発生した例があることから、スト実施時には 大幅な遅延や一部便のキャンセル などより深刻な影響も起こり得るとしています。
特に参加率が6割を超える大規模ストとなれば「結航(欠航)や遅延など航空大乱の可能性」を指摘する声もあり、旅行日程に余裕をもたせることが求められます。
混雑やセキュリティ・入出国審査への懸念
空港内の混雑は必至です。シルバーウィークから秋夕にかけては渡航者数がピークとなる上、スト実施となれば一部業務の処理速度低下が予想されます。
前述のように搭乗手続き(チェックイン)や保安検査は法律により優先的に維持される業務とはいえ、通常よりスタッフが手薄になる可能性があり、チェックインカウンターやセキュリティチェックの待ち行列が長くなることは避けられません。

▲平日の仁川の入国の長蛇
特に出発便の手続きには時間がかかり、普段以上に早めの行動が必要です。
空港内のあらゆる場所で通常より混雑が発生し得ると考えておいたほうがよいでしょう。
なお、今回のストは仁川空港だけでなく金浦空港や釜山(金海)空港など全国の主要空港が対象です。
そのためソウル行きを仁川から金浦に変更するといった他空港の利用も根本的な解決策にはなりません。
韓国国内線を利用して地方都市へ乗り継ぐ予定がある場合も、この期間はダイヤの乱れに十分注意してください。
現地メディア・当局の発表内容
韓国の現地メディアも今回のストライキ予告を大きく報じています。
韓国経済紙の報道によれば、労組は「全国の空港が同時に影響を受ける」として旅行客に混乱への備えを呼びかけており、空港側は法律で定められた必須維持要員と代替人員を確保済みで「ストの影響は大きくないだろう」との見解を示している状況ですkonest.com。
要するに「労組側は遅延覚悟してほしい、空港側は大丈夫と言っている」が現状**と言えます。韓国国土交通省など政府当局からも正式なアナウンスがあるか注目されましたが(9月15日現在)、直接の声明は出ていないようです。
ただし政府もストを未然に防ぐべく仲裁に入ると報じられており、最終的に土壇場で回避される可能性もあります。
現地ニュースによれば、ストに突入した場合でも空港業務の一部は法的に維持されるため「空港閉鎖」のような事態にはならないものの、やはり旅客対応には遅延・混雑が予想されるとのことです。
渡航者へのアドバイス:事前準備と代替策
シルバーウィーク中に韓国旅行へ出発・帰国する方は、通常以上に入念な準備と時間的余裕が求められます。

特にストライキ開始予定日の9月19日〜連休期間中に
該当するフライトに乗る場合、以下の点に注意してください。
- フライト情報の確認を徹底:航空会社からメールやアプリで送られてくるフライトの遅延・変更情報、仁川空港や金浦空港の公式サイトのお知らせをこまめにチェックしましょう。
状況次第では出発時刻の変更や臨時便の案内があるかもしれません。 - オンライン事前チェックインの活用:可能な限り出発前にウェブまたはアプリでチェックインを済ませ、搭乗券を取得しておきましょう。
空港到着後の手続きを1つ省略でき、カウンターに並ぶ時間を短縮できます(預け手荷物がない場合はそのまま保安検査へ直行可能です)。 - 普段より早めの空港到着:チェックインや保安検査に時間がかかる可能性が高いため、通常より1~2時間早く空港に着くよう計画しましょう。
特に仁川空港はソウル市内から距離があります。渋滞や交通機関の遅延も考慮し、余裕をもった移動を心がけてください。 - 他空港便や日程変更の検討:どうしても不安な場合、可能であれば日程や経路の変更も検討しましょう。例えばソウル行きの便を仁川経由から釜山経由に変える、連休のピークを避け日程を前倒し・後ろ倒しするなどです。
ただし繰り返しになりますが今回のストは韓国国内の主要空港ほぼ全てが対象のため、空港を変えても大差ない可能性が高い点には注意が必要です。それでも旅程の柔軟性があるなら、混雑が集中しそうな9月23日前後や10月初旬を避けるだけでもリスク軽減にはつながります。 - 旅行保険の確認:海外旅行保険に航空機遅延補償が含まれているか確認してください。クレジットカード付帯保険などでも遅延時の宿泊費・食事代を補償してくれる場合があります。万一長時間の足止めや予定変更を強いられた場合、保険でカバーできれば経済的なダメージを和らげられます。
まとめ:最新情報の収集と余裕ある行動を
2025年シルバーウィーク〜秋夕連休にかけて予定されている韓国空港労働者のストライキについて、その概要と影響、旅行者への注意点を整理しました。
現時点では「ストが実施されても空港閉鎖のような事態にはならないが、フライト遅延や空港混雑は避けられない」というのが大方の見方です。

最新の情報収集と時間的ゆとりを持った行動を心がけてください
万一実行された場合でも落ち着いて対処できるよう事前準備を万全にしておきましょう。楽しい韓国旅行になるよう、くれぐれもお気をつけていってらっしゃいませ!